本協議会は、抗菌加工製品の健全で秩序ある市場導入をめざし、活動している一般社団法人です。その活動は、主に抗菌加工製品の性能や安全に関する統一した規格・基準とその表示方法とからなる「自主ルール」を定め、品質と安全性を確保した上で、お客様に提供し、普及させること、加えてこれらに関する情報を公開することにあります。
去る3月11日に発生した東日本大震災に被災された皆様には、改めまして、心よりお見舞いを申し上げます。企業においても、サプライチェーンの混乱や電力不足などの問題によって、事業のあり方を根底から見直すことを迫られております。現在、国をあげて被災地の復旧・復興に取り組んでおり、企業は、復興に対する決意を、具体的に示すことが求められています。私たちは、本業のものづくり活動を通じて、一日も早い復興に貢献していきたいと考えております
日本文化のもとに生まれ、日本で開発された抗菌製品の意味と効果が外国でも次第に理解され国際的な取引も増えつつある状況にあります。こうした中、抗菌性評価試験法の国際標準ISO22196 (抗菌ISO) は、JIS試験法 (JIS Z 2801) をベースとして日本から提案され各国の支持により、2007年にプラスチック製品の抗菌製品評価試験方法として発行されました。『抗菌』とは細菌を増やさないようにする機能であり、細菌を殺すことではありません。この日本の文化的な思想を盛り込んだ抗菌加工技術をベースにした試験方法が、世界に認められたわけです。
当協議会は、この抗菌ISOをセラミック、ゴム、塗料などプラスチック以外の製品にも適用できる評価試験法に拡大するための改訂活動を続けて参りましたが、本年7月に19ヶ国の全会一致で改定が承認されました。この度の抗菌ISOの改訂は、国際標準化関係者からも高く評価されております。今後、改訂抗菌ISOは今まで以上に多くの国と対象分野で利用されていくことが期待されます。改めまして、ご支援、ご指導をいただきました経済産業省並に関係団体の皆様に心から感謝申しあげますと共に、多大なご尽力をいただきました当協議会の関係者に敬意を表します。
私たちを取り巻く経営環境は、地球環境問題の深刻化、資源枯渇の懸念、新興国の伸長など、多極化した社会の多様なニーズに対応しながら変革していかなければならない状況にあります。一方、我が国において、成長がない限り、財政問題、社会保障は長期的に満足に応えることはできない状況にあります。持続的かつ秩序ある経済発展を実現していくためには、「世界の工場」と「世界の消費市場」として期待されるアジア地域と連携を着実に進める中で、経済発展を促進するとともに、それが我が国の成長につながり、それがまたアジア諸国の発展に結びつくという連鎖にしていくことが重要です。
新製品の開発による新たな世界市場の獲得競争が激しさを増す中、国際競争力の強化の観点から、我が国発の技術に基づく国際標準を戦略的に活用していくことがますます重要となります。抗菌ISOの改訂は、効果・安全性・耐久性などの品質の基準の議論をするための世界共通の土俵が整ったことになります。すなわち、日本の抗菌加工製品の規格が「世界の物差し」になることで、世界をリードしてきた日本の抗菌技術を各国が活かすことが可能となり、日本だけでなく世界各国にも大きなメリットをもたらします。加えて、改訂抗菌ISO規格に適合した分かり易い抗菌のマーク表示は、世界の抗菌市場の健全な育成と、世界の消費者の安心・安全を守る証となることが期待されます。
抗菌試験方法ISOの改訂を期に、国内、海外ともに抗菌加工製品への関心が急速に高まり、抗菌加工製品の国際的市場も形成されていくことが期待されます。具体的に、国内では本会の会員数の増加や、登録された抗菌加工製品の用途も新規分野が増えており、海外からの本会への入会の問い合わせも増えております。
本協議会は、こうした情勢をしっかりと受け止め、会員の皆様と密接な連携を保ちながら、業界の更なる発展と地位向上、さらに世界のお客様に安心して使用していただける抗菌加工製品を社会に提供し,普及させていくために今後とも愚直に活動を続けてまいります。